eSOM (イゾーム)
Dへの道、あるいはシン高と幸和の物語
2025.05.09
(小説)「Xへの道」、あるいはシン高物語(23):輪島、「僕らの未来」、MIT App Inventor、メタバース
1.
14歳の君(僕)へ、そしてシン高のみんなへ
今日は9月24日(火)。
20~23日、輪島に支援活動に行っていた(20,23日は移動)。
21日早朝から豪雨となり、僕ら自身が災害に巻き込まれた(太字はXへの投稿):
【STH・9月22日・被害状況報告】 輪島市杉平町の被災状況です。豪雨により大量の土砂が流れ込み、自家用車だけではなく、地震の復旧作業で使われていた重機なども完全に埋まっています。あれだけの大地震と今回の豪雨。より一層の支援、報道が必要となります。
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被災者やボランティアの方々にお好み焼きを200食振る舞う予定が、豪雨直撃のためそれはかなわず。
代わりに浸水したボラセン近くの幼保連携型認定こども園の救援活動を行った:
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この間、広島をはじめ日本各地からやってきたボランティアの人々と出会い、色んな話をした。
2024年1月1日の地震や、今回の豪雨の爪痕もまじまじと見た。
そして僕は確信した。
ボランティアと被災地との関係。
これこそが柄谷(行人)さんの言う「(交換様式)A」であると。
「A」とは、僕らが目指すべき未来の世界(ヴィンランド)において支配的となる人間関係である「(交換様式)D」の雛型だ。
となると被災地が、僕らが学ぶべきことのうちで最も大切なことを教えてくれるということになる。
ならば、校長である僕が率先して被災地に赴かなければならない。
10月12-14日、再び僕は仲間と一緒に輪島に行く。
2.
前回(小説22)で僕は、広島の再軍都化について書いた。
それはまさに、現在(世界史の現時点)の象徴だ。
未来(X=「D」が支配的となる世界)は、この延長線上にある。
そして今とXを繋ぐのが、「瓦礫の街の一輪の花」である「てぃんさぐぬ花(鳳仙花)」としての「A」」(小説17参照):
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3.
以下の文章は、広島再軍都化について書いた「小説22」の後半部分だ。
「小説22」と一緒に出してもよかったのだが、輪島で何か付け足すことが起こると直観し、2回に分けることにした。
直観は当たった。
ともかくまずはその後半部分を見てみよう(赤字は22の後半部分)。
トヨタがAIを駆使してEV向け電池を開発するという時それは、宇宙軍事化も念頭においた軍事経済化(技術の軍事利用化)の潮流の中になると見るべきだろう:
新素材の開発期間100分の1に:日本経済新聞
少量データでも最適解
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AIと全固体電池の関係に関する記事がヒットしました。AIと新エネルギー、とても面白いですね。物理、化学から政治・経済、歴史まで、はたまた「教科の枠を超えた(総合的な)
」まで楽しく学べそうです。
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Q. コロ、
は
も含め
の鍵を握ってそうだね。
コロとの対話が増えだすと、小説の最新回のアップ間近です。
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6.
このように一見戦争とは無縁に見える「電池」は、「世界経済の軍事化」の象徴かつ中核だ。
とはいえ、「軍事経済」化が「東軍」、「西軍」の戦争を引き起こすわけではなく、逆にそれを抑止するためのものと見る向きも多いだろう。
僕もそうであってほしいと思うが、少なくとも僕が学者として学んできた世界史は、それがなんらかの形で「東軍」、「西軍」の戦争へ行き着く可能性が高いことを教えてくれる。
というかそれは、多くの人には戦争とは認知されずにすでに起こっている。
それは「超限戦」という「新しい戦争」だ。
「サイバー攻撃」はその典型だ:
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一見、武器とは認知されないものを武器にするのが「超限戦」の特色とするなら、「医薬品」や、その元となる「遺伝子情報」も、この「新しい戦争」の立派な武器だ:
「すでに中国は抗がん剤や抗生物質などの原材料の製造で世界で圧倒的な競争力を持つ。創薬でも中国依存が強まれば、先進国の製薬大手が市場を失うだけにとどまらない。国民の健康や生命を左右する医薬品でも命運を握られることになる。」
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7.
超限戦の武器としての電池や新薬、どちらもAI頼みだ。
となると、AIが超限戦における最大の武器ということになる。
しばらく前に、AIの軍事利用化に歯止めをといった記事が出ていた。
果たして人間にそのようなことが可能なのかという問いに思いを巡らせている最中、これまでの僕の経験上、もしかしたら何十年に一回出会うか出会わないかという本に巡り合った:
『
』著者
)の他の著作も、近刊『Nexus: A Brief History of Information Networks from the Stone Age to AI』も含め、他のあらゆることを後回しにして読んでいきます。そのぐらい
にとって大事な本となるでしょう。
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この本、あまりに騒がれすぎてて、逆にそれで敬遠していました。最近、ひょんなきっかけで読み出しました。ここで連載中の『
』は、この本の「注釈・校訂」となっていくでしょう。そのぐらい凄い本です。
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『サピエンス全史』が教えることをかなり乱暴に一言で言えば、私たち人間の脳がここまで進化したことと、他の種を絶滅に追い込まずにいれなかったことの間には、なんらかの密接な関係があるということだ。
となると、争いやいじめを根絶することは、不可能とは断言できないまでも、かなり困難であることは容易に予想される。
実はこれは僕自身が長年、戦争と平和に関する哲学探究を行う上で直観していたことだった。
その直観を支持してくれる本と出会ったのだから、それは嬉しいだろう。
と同時に、僕がなぜここまでAIにこだわるかその理由も自覚するに至った。
それは僕と同じく「竜馬になること」を目指している孫さんが持つ理由と同じだ:
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「自らの父親についても語り「去年、おやじをがんで亡くした。あの絶望にくれる思いを1万倍の知性があれば解決できたのではないか。事故を1万分の1に減らす。災害やパンデミック、人類が耐えてきた絶望から救ってくれるかもしれない」と株主に語りかけた。」
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ハラリはこうした楽観論に否定的なようだ。
一昨日、彼の新刊が英語で出たから早速それも読んでみよう。
僕らシン高は、ハラリとの対話を重ねながら、あくまで孫さんの「哀しみの楽観主義」を胸に、「X=ヴィンランド」を目指していく。
頼もしい仲間もいる。
その一人がAIアーチストの真鍋大度さんだ。
彼は、あるYouTube動画で、AIに世界滅亡のシナリオを書かせたと言う。
それは彼からみてかなりの出来だったらしい。
そしてそれが出来るようになれば、その逆も可能なはずだとも。
シン高は、こうしたスケール(僕らの言葉でいう「宇宙的な視点」)でAIと向き合っている人から教わりながら、未来を作っていきたいと思っている。
だから9月6日(金)、彼の大阪での個展初日に行ってきた。
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【ライゾマティクス主宰 真鍋大度個展】
「VS.」(大阪うめきた)の9月6日オープンに際し、真鍋大度 最新作による大規模個展が開催されます。
数学的アルゴリズム、音楽プログラミング、3D建築データが融合され、立体的に変動する共鳴空間。真鍋大度が新たにシナン・ボケソイ氏と共同開発した3D音響ソフト「PolyNodes」を駆使し、9月に開館する安藤忠雄設計監修の「VS.」空間で実現するオーディオビジュアル体験。
ぜひお楽しみください。
VS. OPENING EXHIBITION
真鍋大度 新作個展 「Continuum Resonance(コンティナム・レゾナンス):連続する共鳴」
2024年9月6日(金)~2024年10月14日(月・祝)
会場: VS. A/B/C/V Space
大阪府大阪市北区大深町6番86号グラングリーン大阪うめきた公園ノースパーク VS.
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犬の散歩中にプログラムを書く。#
がAIに見出す可能性とは?
から
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4.
とまあこのように、軍事経済化が進む世界の現状から「X」を生み出す鍵は、「てぃんさぐぬ花」とAIをはじめとするテクノロジーの融合だ。
10月に入ると僕は一か月以上に渡り、グーグルとマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同開発したMIT App Inventorというツールを社会課題解決に使うための講習を受講する。
MIT App Inventorは、誰でも簡単にアプリを開発出来るツールだ。
実際に海外では、MIT App Inventorを使って小中学生たちが、生活水道の汚染による健康被害から住民を守るためのアプリをつくったり、水汲みの混雑を緩和するアプリをつくったりと、実際の生活の中の課題を自ら解決するために世界中で活用されている。
シン高では、MIT App Inventorを使って社会課題を解決出来るようになるための授業が必修科目になる。
まずそれを僕が実際にやってみる。
輪島に足を運び、そこで被災者が必要としていることを知り、その解決のためにApp Inveotorがどれだけ役に立つかを試してみる。
5.
ようやくこの「小説23」も出来上がりかけた時、次の二つの投稿がXに上がってきた:
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Meta Quest アプリ情報サイト「オキュラスランク」
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Sep 23
東京大学がアルジャジーラと連携 ガザの戦災を追体験するVR教育コンテンツを開発へ
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国連と共同で「地球デジタルツイン」の構築を始めます。デジタル空間に地球を再現し、世界1800都市の災害管理を支援します。 今週NY国連本部で開催された各国首脳が参加する未来サミット(日本からは岸田首相が参加)で発表しました。 技術で世界平和に貢献できて光栄です。
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シン高はMIT App Inventor同様、メタバースを中心に据えた教育を行っていく。
そしてそのメタバースがシン高を、ガザと国連と、そして宇宙と繋ぐ。
段々と高校の形が整ってみた。
6.
と言ってる間に、また新しい投稿が上がってきた:
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園の中、そして園の周りに続いて 遂に園庭の土砂撤去に進んでる! コミサポの重機も登場し 一気に園の復旧が進んでる!! リスペクト!!そして3日間お疲れ様です! コミサポ&幡再の混成チームの スキルと気合いに負けぬよう セイブも来月また輪島へ行きます!!
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も お供をさせていただきます。
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今回も、皆実高校の日上先生の運転で、セイブ(・ザ・ヒロシマ)の面々と一緒に行った。
「天一」でラーメンを食べてヒロシマを発ったのが夜10時過ぎ。
朝6時過ぎに輪島に着く寸前にポツリポツリと雨が降り出した。
ボラセンに荷物を運び入れ、ようやく一息ついた頃には、プレハブの屋根が銃撃されているのかと思うほどの豪雨になっていた。
車中、ビートルズと、ジョン(レノン)と、(忌野)清志郎の歌声を通して、初対面の「セイブ」の面々と仲良くなった。
翌日から丸々二日間、朝から晩まで一緒に働き、夜は子どもの頃の臨海学校を思い出させる時間を過ごした。
輪島は海岸線沿いにあり、ボランティアはシン高の「メイン・キャンパス」だから、まさにそれは「臨海学校」であった。
宴も終わりにさしかかった頃、「セイブ」のガイさんが、もう1人のメンバーである亮さんに「なんでボランティアやってるの?」と尋ねた。
「楽しいから」「それしかない」と即答。
「完璧な答えだ」
眠りに落ちかけていた僕はそう思った。
(続く)