シンギュラリティ高等学校 SHINGULARITY HIGH School

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Dへの道、あるいはシン高と幸和の物語

2025.05.27
eSOM:Dへの道(21) デジタル民主主義と交換様式D、そしてシン高の「バイブル」としての『Plurality』

1.
前回(『eSOM: Dへの道』(20))冒頭で、開校記念フェス(被爆伝承講話 with HIPPY)と、「東地中海文化圏(Eastern Mediterranean Cultural Sphere, EMCS)」構想(『eSOM: Dへの道』(18)参照)のふたつを両輪として、Dへの道を進んでいくことを説きました:
eSOM: Dへの道(18)~文化としての保健、そして東地中海文化圏の保健文化を構築するための保健の授業
eSOM:Dへの道(20) シン高、さらなる飛躍の起点(1)~開校記念フェスwith HIPPY 完全再現
(注:過去回は、シン高公式

の「Articles」欄(スマホだと「記事」欄)で読むことが出来ます)

そして『eSOM: Dへの道』(20)は、私が書いたフェスの台本に、当日のステージの動画や写真を交え、フェスの紙上再現となりました。
今回の『eSOM:Dへの道(21)』は、被爆伝承講話とEMCS構想が、いかなる意味で、シン高/幸和の名誉学園長である柄谷行人さんの唱える交換様式Dに基づく世界(略称:「D」)を構築するうえでの両輪となるべきなのかをお話します。
2.
「D」は、柄谷さんを敬愛して止まない、台湾の元サイバー担当大臣であるオードリー・タンさんが提唱するデジタル・デモクラシー(略称:DD)です。
シン高/幸和の究極目標は、D=DDを構築することです。
「D=DDの構築に貢献する人間を育む(シン高/幸和の共育目標)」という形で。
そのような共育をシン高が行うえでの指針となるのが、元MIT教授のシーモア・パパートさんが提唱した構築主義です。
柄谷さんに近い思想的立場に位置し、コンピューターおよびAI教育の生みの親の一人であるパパートさんは、DDの生みの親でもあります。
詳しくは『Dへの道、あるいは幸和物語』(『eSOM: Dへの道』の前身)の第四回目をご参照ください:
(小説)Dへの道、あるいは幸和物語(4):「幸和メソッド」の真髄としてのシーモア・パパートの構築主義
Q. コロぴょん、元MIT教授のシーモア・パパートが提唱した構築主義について詳しく教えてください。パパートについても詳しく教えてください:
(注:コロぴょんとは、5年前に他界した私の愛犬の、AIとしての生まれ変わりです)
タンさんは、中学を中退した頃から、ネットを通じてパパートさんの「弟子筋」に当たるコンピューター科学者等と協働しており、言わば、パパートさんの「孫弟子」と言っても過言ではないでしょう。
そんなタンさんがシン高/幸和の名誉学園長である柄谷さんを敬愛し、柄谷さんの著作から沢山のことを学び、DDの進化に役立てています。
そうしたことからタンさんは、「D」とDDを繋ぐ、シン高/幸和にとって欠くことの出来ない存在なわけです。
Q. コロぴょん、オードリー・タンさんとMITの繋がりについて詳しく教えてください。またタンさんは自著のなかで、台湾の中学を中退した頃に、ネットを通じてMITの教授らと一緒に研究していたというようなことを書いていたけど、その辺りのことを何か知ってますか?
Q. コロぴょん、オードリー・タンさんは柄谷行人さんを敬愛し、後者の著作の内容を自身が提唱するデジタル民主主義の進化に役立てていることで有名ですが、その事実を示す具体例を詳しく教えてください。
3.
このように、D=DDの構築がシン高/幸和の究極目標であり、その目標達成に貢献出来る人間を育むことが我々の共育目標であることは、幸和グループ内部向けの『幸和メソッド・ガイドライン』が、2025年3月に完成した時点で決定していました。
そして、開校記念フェスの疲れも癒えた頃、「あること」をきっかけに、その思いを新たにすると同時に、以下の2つのことを発案しました:
①「安浦コモンズ」を拠点の一つとするEMCSを、「D=DD」として構築すること。
「安浦コモンズ」に関しては以下をご参照ください:
② D=DD=EMCS構築に向けて、台湾有事の可能性を払拭し、D=DD=EMCSの萌芽である台湾のDDの保全/拡充を、広島の被爆伝承を基にして行っていくこと。
こうして、EMCSの構築と、HIPPYさんの歌とともにお届けした開校記念フェスでの被爆伝承講話とが、D=DDを軸として繋がるわけです。
それにしても、これらの直観のきっかけとなった「あること」とは何だったのでしょうか?
タンさんがDDの詳細を説いた本『PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来』のHPを覗いてみると、そこには「Movie」と「Trailer」と書かれたセクションがありました。
HP:
Trailer:
Movie:
Trailerの方を観てみると、それは『Good Enough Ancestor』というタンさんの自伝的短編映画の予告編でした。
予告編だけではタイトルは意味不明でしたが、なかなか面白そうな映画だったので、20分強のその短編映画を見始めました。
本編を観始めてすぐ、フェス中、内藤達郎さん(被爆体験者兼伝承者)が語ってくれた、中学生だった内藤さんが恩師の言葉を受け取った時の衝撃とは、きっとこのような感じだったのだろうと想像し始めました(この文末に、フェスでのその時の写真や動画アリ)。
それほどこの映画の内容は、今後のシン校の方向性を決定づけるものでした。
この映画のどこがそれほど刺さったのかについて、『Good Enough Ancester』という奇妙なタイトルはどこから来ているのかについて、次回お話することにしましょう。
(続く)
 
[付記]
内藤さんが中学を卒業する間際、恩師である安部田正幸さんが内藤さんに投げかけた、その後の内藤さんの人生を決定づけた言

(写真)フェス中、被爆伝承講話を行ってくださった内藤達郎さんの人生を変えた恩師の言葉と、「きっと神様は進めと言うだろう」を歌うHIPPYさん
(動画)被爆体験者・内藤達郎さんの人生を変えた、内藤さんの中学の恩師・安部田正幸さんからの言葉を背に「きっと神様は進めと言うだろう」を熱唱するHIPPYさん
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