eSOM (イゾーム)
Dへの道、あるいはシン高と幸和の物語
2025.05.08
Xへの道(3):天才詩人HIPPY
武勲詩2
8月1日(木)の午後、HIPPYさんに会いに行くうえで、彼がなぜ被爆伝承者となったのかをネットで調べていました。
すると以下の記事を見つけたので、それについてXで連投しました:
シンガーソングライター
が繋ぐ 「
の語り部
」
〜
のない
に向けて〜
via
for Global Peace
「僕たちはあの日から続いている「今日」に生きているんですよね」(by HIPPY)
「洋次郎さんが「〜証言の会」を始めて15年が経ちました。以前から感じていたことは被爆者の高齢化により、近いうちに続けることが難しくなるだろうということです。その時に僕が語ることができるように、3年前から“伝承者”になるための研修を受けています。」
HIPPYさんに校歌をお願いしようと思った最大の理由は、彼の曲の歌詞でした。
古今東西「人生の応援歌」は山ほどあれど、彼の書く歌詞は何かが違うのです。
その証拠に私は、出会って間もない彼の曲の幾つかの歌詞で、すでに数回号泣しています。
これは非常に稀なことです。
57年の人生で、歌詞に打たれてそこまで号泣したのは数えるほどです。
RCサクセションの「君が僕を知っている」(1980)、Bump of Chicken 「天体観測」(2002)、Bank Band with Salyu 「to U」(2006)、Jay Z ft. Alicia Key ”Empire State of Mind” (2009) ぐらいしか、すぐには思い出せません。
そしてもちろん、山下達郎「僕らの夏の夢」(2009)
これらの曲のそれぞれには、僕を号泣せしめるだけの特別な理由があります。
それらは今後、この物語で語られることになるでしょう。
特に「to U」は、私の故郷である福島を襲い、それをきっかけに30年ぶりに日本に戻って仲間とシン高を作ることになった東日本大震災との関係で。
シン高と東日本大震災の関係については、HPの「校長からのメッセージ」をご覧ください:
ともかく、HIPPYさんの曲が、そこまで僕に訴えかけてくることには、他の曲同様、「特別な理由」があるはずです。
勿論、彼が作詞家として類まれなる才能の持ち主であるということに加えて、です。
2:44AMに引用した発言の後、HIPPYさんは次のように続けます:
「僕が教わっている講師の岡田恵美子さんは被爆者であり伝承者でもある方で、岡田さんから「一人ひとりが得意分野で発信をしてほしい」という思いを聞いて、僕ができることは歌で伝えることだなと使命感を持って臨んでいます。」
歌で何を「伝える」のかと言えば、それはHIPPYさんご本人曰く「僕たちはあの日から続いている「今日」に生きている」ということなのだと思います。
それを伝える歌の一つが、ライブでも、そしてその後、運転中に車を路肩に停めざるを得ないほど号泣せしめた「きんさいや」です(歌詞はTEEとの共作):
荒れ果てたこの地に咲いた花
枯れないように守り育てよう
そして誰かの明日のために
情熱燃やして 広島から愛を込めて
あーーあせらんでええよ
歩きんさい(歩きんさい)
もーーなかんでええよ
笑いんさい(笑いんさい)
なーーんかあったら
すぐに話しんちゃい
(話しんちゃい)
どうしたんね!頼りんさい!
ほらこっちにきんちゃーーい
ライブで初めてこの曲を聴いた時は、サビの「あーーあせらんでええよ
歩きんさい(歩きんさい)」のところで涙腺が完全に崩壊しました
同様にライブで初めて聴いて私に、「この人は天から同じメッセージを受け取りながら、同じ道を行く人だ」と直観せしめたのが「きっと神様は進めと言うだろう」でした:
雲の向こう側いつでも青
飛べなくても向かえ滑走路
できるわけないをやろう stop giving up
きっと神様は進めというだろう
Just one last chance you can
たとえ lonely hardest way
もう、井上武彦の『バガボンド』の世界です。
ちなみに、映画『サマーウォーズ』同様、漫画『バガボンド』もシン高生が進む「Xへの道(eSOM)」を構成しています。
それにしても、そもそもなぜ私が、テニュア(終身地位保証)まで取得したカナダの大学を辞めて30年ぶりに日本に戻ってまで、HIPPYさんが歌で表現する「Xへの道」をゆこうとしているのか?
そしてその道はなぜ「Xへの道」と呼ばれるのか?
それらの答えは、シン高がゆくこの「Xへの道」という名の物語の重要な部分を占めることになります。
ところで、私がHIPPYさんの歌に惚れ込んだのは、なにもその歌詞だけが理由ではありません。
そもそも知人の紹介で初めてHIPPYさんの曲を聴いた時、最初に「凄い!」と思ったのはその歌声でした。
天才プリンスを超えると言われたテレンス・トレント・ダービーに勝るとも劣らない歌声と思いました。
そして、私が最も敬愛するプリンスを彷彿させる音作り。
「きっと神様は進めと言うだろう」の制作には、間違いなくプリンスの影響を受けていると思われるSuperflyが参加しているとのことでした。
プリンスは、ジャズからファンク、ハードロックまでジャンルを超えて新しい境地を切り開いた正真正銘の天才ですが、HIPPYさんもキャリアのはじめ、ハードロックバンドをやっていらしたそうです。
ではこれから、「きんさいや」、「きっと神様は進めと言うだろう」に勝るとも劣らない校歌をお願いしに、HIPPYさんに会ってきます!
(続く)