eSOM (イゾーム)
Dへの道、あるいはシン高と幸和の物語
2025.05.17
eSOM:Dへの道(19)柄谷さんとムヒカさん 追悼:ホセ・ムヒカ元ウルグアイ大統領
1.
シン高の家庭科の教科書『家庭基礎』の203頁に、「世界でいちばん貧しい大統領」として、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領(2010~2015)が写真付きで紹介されています。
そのムヒカ元大統領が13日、お亡くなりになりました。
ネット上には、2012年にブラジルで開催された「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)での「伝説のスピーチ」をはじめ、沢山のムヒカさんの名言が溢れかえっています:
その言葉がそのまま、シン高/幸和が構築しようとしている「D」(≒SDGsが実現された世界≒ウェルビーイングな世界≒リゾーム≒デジタル民主主義≒東地中海文化圏)と考えて差し支えないでしょう。
少なくともムヒカさん御本人はそう考えていらっしゃったことでしょう。
というのも、ムヒカさんは、シン高名誉学園長でいらっしゃる柄谷さん(「D」の発案者)をとても敬愛されていて、御本人自ら柄谷さんに、近著のブラーブ(推薦文、紹介文)を依頼されたほどです:
一度、柄谷さんのご自宅で、柄谷さんに送られてきたムヒカさんの写真を見せていただいたことがあります。
その中でムヒカさんは、柄谷さんの『世界史の構造』スペイン語版を手にし、嬉しそうに微笑んでいらっしゃいました。
「いい本だぞ!よくやった!」とでも言わんばかりに。
2.
上記の究極目標と対を成すシン高の共育目標は、「AIを駆使して「D」の構築に寄与する人間を育む」です。
従ってシン高のカリキュラムは、その目標達成のために最適なものとなるよう、細部に渡るまで綿密に計算され、プログラムされています。
かと言って、ファシリテーターはともかく、生徒がいきなり『世界史の構造』などの、「D」と直接関係する柄谷さんの著作を読む必要はありません。
もちろん、読みたい人はどんどん読めばいいし、悪戦苦闘することを強くお薦めします。
私が高校生の時に浅田彰さんの『構造と力』と格闘したように(『eSOM』(11)参照)
そうした悪戦苦闘、格闘があってこそ、そうしなければ辿り着けないような新たな地平に辿り着けることを、私は経験から学びました。
しかしそれもフロー(この場合、「読みたい!という気持ち」)あってのものです。
フローに入れないのに、「読まなければいけない」という義務感で読むのは逆効果です。
そうしたフローが自分の中に芽生えるまでは、ネット上でいくらでも拾えるムヒカさんの言葉に触れるだけで十分以上です。
柄谷さんと尊敬と信頼で強く結ばれているムヒカさんの言葉に、「D≒…≒デジタル民主主義」のエッセンスがちりばめられているわけですから。
ムヒカさんの訃報とともにネット上に湧き出てきた言葉の中でも、特に以下の二つの言葉が私に刺さりました。
どちらも自分にとって大切な言葉であると同時に、これを読んで下さっている全ての人に届けたい言葉ですので、是非、御覧になってください:
『Xへの道』から『eSOM:Dへの道』に衣替えした第一回目に書いたように、シン高は生きているか、亡くなっているかを問わず、両者と共に「夢の向こう側」へと向かいます:
また一人、仲間が出来ました。
(続く)