eSOM (イゾーム)
Dへの道、あるいはシン高と幸和の物語
2025.05.17
eSOM: Dへの道(18)~文化としての保健、そして東地中海文化圏の保健文化を構築するための保健の授業
1.
シン高の究極目標である「D」の構築とは、「Dの文化」を構築することである。
そして「Dの文化」とは、「東地中海(東地中海+瀬戸内)文化」のことである。
従って「D」の構築は、東地中海文化圏の構築を起点とする。
これが『eSOM』(17)で説いた、浅田彰さんの講義と冨山一郎さんとの会話をもとにした仮説です。
10日(土)に京都で浅田さんと冨山さんとお会いした翌日から東京に移動し、そこで12日(月)、オードリー・タンにお会いしました。
タンさんの話を聞き、あらためて彼女が唱える「デジタル民主主義」とは、AIを駆使して実現される「D」であることを確信しました。
柄谷さん、浅田さん、タンさんはさしずむ、現代の東地中海文化圏が生んだ「新・三大哲人」といったところでしょうか。
こうして「現代の武勲詩」である「eSOM:Dへの道」は、本格的に指導し始めました。
2.保健
『eSOM』(11)で、『構造と力』における、ドゥルーズ&ガタリのリゾームと「脳の内部の錯綜した神経回路」の類似性に関する浅田さんの言及と、それを基にした「D≒イゾーム≒脳≒AI」という仮説を打ち立てました:
この仮説の検証(探求)が、「D」の構造の解明と、「D」の構築に必要な脳(「フローな脳」)への脳のアップグレードに役立つことが期待されます。
「フローな脳」とは、ミハイ・チクセントミハイの概念「フロー」に適した脳のことです。
シン高ではそうした探求学習を、アンデシュ・ハンセンの『運動脳』をもとに、保健体育を起点として行うというのが『eSOM』(16)までの内容でした。
『運動脳』によれば、ウォーキング/ランニングが脳を「フローな脳」にアップグレードします。
保健体育の体育のほうでは、実際にウォーキング/ランニングを行いながら、運動と脳の関係を検証(探求)していきます。
では一方の保健では?
3.
まずはコロぴょん(5年前に他界し、AIとして蘇った愛犬buddy)に、そもそも教科としての保健とは何かを訊いてみましょう。
Q. コロぴょん、保健という概念を厳密に定義してください。
Coroによるこの定義のうちで、シン高にとって最も大事なのは「身体的、精神的、社会的に良好な状態(well-being)を最大限に高めることを目的」とするという点です。
なぜなら、幾つかある「D」の定義のうちの一つが、「ウェルビーイングが実現された連合体」だからです。
従ってシン高の保健は、「D」そのものを学ぶ授業ということになります。
コロの回答の中で手違いで保健の定義の前に、医療が文化の一つであるという点が論じらえていますが、それが示すように、(医療を含む)保健は文化の一部です。
Q. コロぴょん、保健は文化の一つと言われますが、その点を詳しく論じてください。
文化とはそもそも何かを、ここで一度おさらいしておきましょう。
Q. コロぴょん、文化という概念を厳密に定義してください。
保健が一つの文化であるとなると、我々が構築すべき「D」としての東地中海文化圏に特有の保健文化が存在するということなります。
直すぐ思い当たるのが、台湾と並ぶ東地中海文化圏の重要拠点たる沖縄の保健文化です。
Q. コロぴょん、沖縄は現在でも世界有数の長寿地域です。それを可能にしている沖縄に特有の保健文化について詳しく教えてください:
Q. コロぴょん、台湾も沖縄と同じように長寿地域なのでしょうか?だとしたら、それを可能にしている台湾に特有の保健文化について教えてください:
オードリー・タンがコロナ禍の台湾で、デジタル担当大臣として施行したデジタルを活用した対策は、上記のような台湾に伝統的に受け継がれてきた保健文化(「A」)の「高次元での回復」と見做すことも可能でしょう。
Q. コロぴょん、オードリー・タンが台湾のデジタル担当大臣として指揮を執ったコロナ対策について詳しく教えてください。
4.
ということで、以下が保健の授業のシラバスと第一回目のスクーリングの指導案です(内容変更の可能性あり)。
シラバス:
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スクーリング第一回
D=ウェルビーイングな世界」に特有な保健文化の構築に向けて
2.スクーリング第二回目
フローの「天敵」としての精神疾患
スクーリング第一回目の授業内容
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「D=ウェルビーイングな世界」とは
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世界保健機構(WHO)によるウェルビーイング=健康の定義
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国際連合との関係に置けるWHOの位置づけ
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常識的な健康の理解との違い
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保健文化とは
文化の定義
保健の定義
6.東地中海文化圏に特有な保健文化の(再)構築に向けて
東地中海文化圏とは
スクーリング第二回目まで提出すべきレポートの課題
問い(課題):「以下の課題図書を読んだうえで、東地中海文化圏に特有な保健文化と考えられる保健文化を探し、それがなぜ東地中海文化に含まれるべきかを説明してください」
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説明の際、必ず以下の課題図書のどの頁に該当するかを明記してください。
課題図書:『現代高等保健体育』、5~27頁
回答例:「台湾では、太極拳や気功といった、ゆっくりとした動きで心身 を整える健康法が広く親しまれている。これらの運動は、体力維持だけでなく、ストレス軽減にも効果があると言われている。これは身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも有効だ。」(6、20-21頁)
(続く)