シンギュラリティ高等学校 SHINGULARITY HIGH School

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Dへの道、あるいはシン高と幸和の物語

2025.04.30
Dへの道、あるいは幸和物語(1):シンギュラリティ高等学校入学式、校長からのお祝いの言葉

シンギュラリティ高等学校(略称:シン高)公式Xの「Article(記事)」で「Xへの道、あるいはシン高物語」を連載していました。
この「Dへの道、あるいは幸和物語」(以下、「Dへの道」)は、「新(シン)・Xへの道、あるいはシン高物語」です。
「…、あるいはシン高物語」を「…、あるいは幸和物語」に換えたのは、この物語が、シン高、幸和認定こども園3園、のぞみ幼稚園、2025年度中に新たに開設する国内外の幼稚園、㈱eSOM(イゾーム)等々、幸和グループ全体の物語だからです。
「Dへの道」の第一回目は、2025年4月3日に催されたシン高入学式におけるシン高校長である私の「お祝いの言葉」全文です。
ここで語られているHIPPYさんんの新曲「サクハナ」は、シン高の校歌であると同時に、幸和グループのテーマソングでもあります。
従ってここで語られていることは、幸和グループのメンバー全員(園児、生徒、ファシリテーター、職員、等々)に向けられたものです。
入学式:校長からのお祝いの言葉
(注:まず冒頭でHIPPYさんのお祝い動画メッセージ、そして「サクハナ」が流れる)
1
シンギュラリティ高等学校(略称:シン高)第一期生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
保護者のみなさん、おめでとうございます。
今聞いてもらったHIPPYさんの曲に、校長である私からみなさんに伝えたいことの全てが詰まっています。
この私からの「お祝いの言葉」で、どのような意味でこの曲が、私からみなさんにお伝えたいことの全てなのかの「解説」とさせていただければと思います。
2
この「解説」を行ううえで欠かせないのが、「サクハナ」の歌詞カードと共にみなさんにお配りした、「きんさいや」、「かあさんへ」、「きっと神様は進めと言うだろう」という3つのHIPPYさん曲です。
この3曲との出会いは、知人に誘わせて行った、昨年7月26日の上野学園ホールでのHIPPYさんのライブでのことでした。
ライブの中で私はこの3曲を初めて聞き、不覚にも号泣してしまいました。
「ここまで色々な思いを同じくする人がいるとは…」と思ったからです。
そんな風に感じ、大号泣したのは、2011年3月11日、私の故郷である福島が津波と原発事故にあった後に、ミスチルの桜井和寿さん率いるBank Bandの「to U」という曲を聴いた時以来でした。
HIPPYさんと桜井さんの2人を私は、詩人として天才だと思っています。
桜井さんの別な曲が、このあいさつの一番最後に、「サクハナ」との関係でもう一度出てきます。
ともかく私は、3.11直後に「to U」を聴いた瞬間から、大学教授を辞めることを決意し、シン高の設立に着手し始めました。
そして今、「to U」を聴いた時と同じように大号泣した三曲をもとに作られた「サクハナ」とともに、シン高の歴史は始まろうとしています。
3
上野学園ホールでのライブの後、楽屋で初めてヒッピーさんと対面しました。
ちょうどその頃私は、広島市が主催する被爆伝承者養成のための研修を受講し始めていました。
HIPPYさんも、私に先駆け同じ研修を受けていて、今も毎月6日に「原爆の語り部 被爆体験者の証言の会」を開催していらっしゃいます。
私が、同じ研修を受けていることを伝えると、HIPPYさんは満面の笑みを浮かべて、「それじゃあ僕の後輩ですね」とおっしゃってくださいました。
4
被爆伝承は、それぞれの伝承者が、ある特定の被爆者の体験や思いを聞き取り、それを伝承していきます。
HIPPYさんが担当することになった被爆者の方からHIPPYさんは、「あなたはあなたのやり方で語り継いで言ってください」と言われ、歌い続けているそうです。
つまりHIPPYさんの曲全てに、被爆伝承者としてのHIPPYさんの様々な思い、つまり、被爆者の方々の「幾千の希望」や夢が込められているわけです。
5
被爆伝承者としてのHIPPYさんの思いは、「きんさいや」の二番の冒頭の歌詞に込められていると私は思います:
「荒れ果てたこの地に 咲いた花 枯れないように 守り育てよう
そして誰かの明日のために 情熱燃やして 広島から愛をこめて」
「この歌詞を丸ごと校歌にしてください」とお願いして出来たのが「サクハナ」です。
ですから、「サクハナ」で歌われている「夢」とは、ここにいるみんなの夢であると同時に、原爆で亡くなった方々の夢でもあります。
そしてそれはまた、「命短く」、志半ばで亡くなった方々全ての「夢」でもあります。
6
では、ここにいるみんさんが、死者と共有すべき「夢」とは何でしょうか?
「サクハナ」としての「夢」を、生徒とファシリテーター全員が「被爆伝承者」となり、一緒に探し求め、実現していくのが、みなさんの学校であるシン高です。
ちなみにシン高は、「先生」は「ファシリテーター」であり、校長も含め「先生」同士も、「先生」と生徒の間も、そして生徒の間も全て「さん」付けで呼び合います。
また「きょういく」は「きょういく」でも、「教育」のほうではなく、生徒とファシリテーターが「共に学び成長していく」という意味を込めて、「共育」と表記します。
7
「共育」を通して生徒とファシリテーターが一緒に掴み取ろうとする「サクハナ=夢」への道のりは、楽しくも、長く険しい道のりとなることでしょう。
この「楽しくもシンドいこと」、あるいは「シンドくも楽しいこと」を、シン高では「hard fun (ハード・ファン)」と呼びます。
「ハード・ファン」な「サクハナ=夢」への道のりで「誰も敗者にはしない」。
「サクハナ」の中でHIPPYさんはそう歌ってくれています。
ファシリテーターという「伴走者」とともに、「誰も敗者にはしない」ハード・ファンな「夢」への道のりは、HIPPYさんと並ぶ天才詩人であるミスチルの櫻井さんが「Tomorrow Never Knows」で歌う、「勝利も敗北もなく続いていくレース」でもあります。
しかしこの「レース」は、「Tomorrow Never Knows」で歌われているように「孤独なレース」ではありません。
誰にでも、父母に限らず「かあさんへ」で歌われているような気持ちを感じる人が身近にいるはずです。
もしかしたら、今はまだ気づいていないかもしれませんが。
身近に大勢の「かあさん」がいるからこそ、ハード・ファンな「夢」への道を「きっと神様は進めと言うだろう」と思います。
あなたに「夢」を託した死者と一緒に。
シンギュラリティ高等学校へようこそ。
(終)
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